未曾有の転換期に立つ印刷業界の雄はどこへ行こうとしているのか:大日本印刷 その4

7月 15th, 2011

いまや、印刷業界全般の地盤沈下が続いている中で、大日本印刷は従来からの幅広い事業分野を拡げているだけでなく、未知新規分野への積極的で大胆な進出を果たしてきたことは、常に長期の未来を見据えての戦略的な事業展開の視座を持っているからでしょう。 中小企業のような小回りの効く企業体系でないことは自明なのです。 それは情報産業の強みかもしれません。印刷という紙の記録媒体の生産に携わる企業に止まらず、情報収集から情報の発信まで総合的な産業としての事業を確立してきたことが、この巨大企業にして、ますます新たな時代に対応しての変貌と拡大をも可能にしているようです。 それは例えば、従来から出版の印刷だけでなく流通にも参入していましたが、2009年春には、中古書籍販売大手ブックオフへの出資という動きも注目を浴びました。 新規出版ではなくて、リサイクルの出版事業にも、印刷大手会社が参入することは業界に衝撃を与えた事件でもあったようです。 エコやリサイクルといった一環で社会的なペーパーレスの要請を逆手に取り込むかのようなこの大手印刷会社の新しい展開には目を離せません。

逆風をものともしない強靭な体力を保持する会社:大日本印刷 その3

7月 15th, 2011

現代の日本を覆う未曾有といわれる一般的な不況だけでなく、印刷業界は致命的な衰退の時代にさえ入っているといわれます。 さきの東日本大震災でも、東北地区の製紙工場の被災による印刷用紙不足、千葉の石油コンビナートの火災に影響された印刷インキの手当て不足等のマイナス影響もありましたが、そのような資材不足を超えて、印刷需要全体の縮小傾向は歯止めもないようです。 まさに業界存亡の危機といっても大げさでなないでしょう。 そのような状況でも、今や印刷業というよりは情報産業をリードするといってもいいこの企業は、独自開発や新規分野への参入を活発にしているようです。 2010年の有価証券報告書で、大日本印刷の社長の報酬が7億8700万円と報じられました。これは日本人最高額といわれます。 企業体としての強さと新規事業へのバイタリティは、なお日本を代表する国際的な企業として、情報産業のトップを走るリーディングカンパニーでこれからもあり続けるでしょう。

印刷業界の革命的な変化の時代になお再生を図る:大日本印刷 その2

7月 15th, 2011

巨大企業、マンモス企業ともいえる会社には、システム機能が硬直、あるいは統合管理するだけの中心的なパワーを失い、没落の危機さえあることは、古代からの世界の国家史を省みれば推測できる事実なように思います。 まして、印刷という業種が、今日のITを中心とした情報革命の時代に、変貌というよりは全体的な衰退は眼に視えているという状況があります。 15世紀グーテンベルグの活版印刷機の発明から始まって、オフセット印刷等の幾多の技術革新を経ながらも、新聞・雑誌・出版による印刷物は、社会情報流通の基幹ツールとしてありましたが、その後に発達しても共存してきた電波媒体のみならず、DTPからITの情報技術の進化は、よりペーパーレスな、マスの印刷の不要な社会へと激変しているような感があります。 オンデマンド印刷と呼ばれる、必要な時に必要な数量のみのような小規模でスピード対応の印刷は残るでしょうが、大量にバラマキのチラシ広告や出版の減少は確実で、大規模印刷工場設備が、現在よりは不要になることも必至といえます。 このような時代にも大日本印刷は、活発な新規事業を取り込み、時代に対応した再生を試みているようです。

国内印刷会社の枠を超えた国際的な情報企業として変化が注目される会社:大日本印刷 その1

7月 6th, 2011

日本国内の印刷業界においてのTop企業であるというだけでなく、世界最大規模の総合印刷会社としてとび抜けた存在感を持つのが、大日本印刷ということができます。それは広告業界における電通という存在感にも通じるものがあります。 凸版印刷と並んでの2トップとも言われますが、通称DNPとして、収益、規模とも国際企業としてダントツのブランドを有しています。 創業は1876年、活版印刷の会社として始まり、オフセット等の印刷技術の進化、発展に伴い規模を拡大するに止まらず、情報化社会に対応してITに繋がる様々な情報分野にも進出し、なおかつ特化していき、事業分野を拡大してのマンモス印刷会社を形成した今日があります。 その事業分野は、各種広告宣伝物から出版等すべての印刷物の領域を網羅するだけでなく、パッケージ、建材等の印刷に付随する加工技術、それに情報産業としてのIC技術、その他、エレクトロニクス技術、コンサルタント業務等、幅広さも一般の会社とは桁違いといえます。 情報化社会のさらなる変化進展が、このマンモス企業はどう対応していくのかは注目に価します。